札幌の中心部、狸小路商店街に誕生した都市型水族館「AOAO SAPPORO(アオアオ サッポロ)」。開業以来、多くの観光客が訪れていますが、Google検索では「つまらない」「高い」「がっかり」といった不穏なキーワードが並ぶことも事実です。
これから行こうと計画している方にとって、決して安くない入館料を払って失敗するのは避けたいところでしょう。結論から言えば、AOAO SAPPOROは訪れる人の「目的」と「誰と行くか」によって、評価が天と地ほどに分かれる特殊な施設です。
この記事では、ネット上の辛辣な口コミの背景にある真実と、この施設を120%楽しむための具体的な攻略法を、Webマーケターの視点から徹底的に深掘りします。従来の「水族館」という枠組みを捨てて、新しい楽しみ方を見つけるためのガイドとしてご活用ください。
| 評価 | 向いていない人 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 低評価になりがち | イルカショーなどの派手な演出を求める人 未就学児連れのファミリー コスパ(滞在時間)を最優先する人 |
落ち着いた空間で癒やされたい大人 写真撮影や美術館が好きな人 夜にお酒を飲みながら楽しみたい人 |
酷評の嵐?「つまらない」「高い」と言われる5つの理由
まず最初に、なぜこれほどまでに「つまらない」という感想が出てくるのか、その根本的な原因を分析します。ネガティブな口コミの多くは、事前の期待値と実際の体験内容との「ズレ」から生じています。
1. 所要時間と料金のバランスに対するコスパ論争
最も多い不満の声は、入館料(大人2,000円から2,200円)に対する滞在時間の短さです。一般的な水族館であれば2時間から3時間は楽しめますが、AOAO SAPPOROはビル内の3フロアのみという構成上、ただ展示を眺めて歩くだけなら45分から1時間程度で見終わってしまいます。
この「短さ」に対し、2,000円超えの価格設定は高いと感じる人が多いのが現実です。特に、一日中遊べるテーマパーク的な感覚で訪れると、あっという間に出口に辿り着いてしまい、物足りなさを感じることになります。
2. 子供には見えない?ファミリー層からの悲鳴
子連れ、特に未就学児や小学校低学年の子供を持つ親御さんからの評価が厳しい傾向にあります。その最大の理由は「水槽の位置が高い」ことです。大人の目線に合わせて設計されたスタイリッシュな展示は、小さな子供の視線からは中が見えにくい構造になっています。
結果として、親はずっと子供を抱っこして回らなければならず、ゆっくり鑑賞するどころではないという事態に陥ります。また、子供が喜ぶようなタッチプールや派手なアトラクションがないことも、ファミリー層にはマイナスポイントとなりがちです。
3. 「魚が少ない」という誤解と真実
「水族館」という名称から、多種多様な魚が泳ぎ回る巨大水槽を期待すると肩透かしを食らいます。AOAO SAPPOROは、生物の多様性を網羅的に見せることよりも、特定の生物や環境を深く掘り下げる「量より質」の展示スタイルをとっています。
イルカやアシカ、ラッコといったスター動物はいませんし、トンネル型の巨大水槽もありません。魚の種類や数を求める人にとっては、確かにボリューム不足に映るでしょう。ここは「魚図鑑」ではなく「生きたアート」を見る場所なのです。
4. 解説がない?不親切と感じる展示デザイン
館内には、一般的な水族館にあるような詳細な解説パネル(魚の名前や生態の説明板)が極端に少ないです。これは、知識を詰め込むことよりも「観察すること」「感じること」を優先したコンセプトによるものです。
しかし、生物の名前や特徴を詳しく知りたい学習意欲の高い層からは、「何を見ているのかわからない」「不親切だ」という意見が出ることがあります。QRコードで情報を読み取る仕組みもありますが、いちいちスマホを取り出すのが面倒だと感じる人も少なくありません。
5. イルカショーなし。期待値の致命的なズレ
多くの人が「水族館=ショー」というイメージを持っていますが、ここにはショーを行うスタジアムはありません。あるのは、ペンギンたちが気ままに過ごす生活空間と、静寂に包まれたネイチャーアクアリウムだけです。
エンターテインメントとしての動的なショーを期待して行くと、静かすぎる館内に拍子抜けしてしまうでしょう。この「動」ではなく「静」を楽しむコンセプトを事前に理解していないことが、低評価の大きな要因となっています。
逆に「最高」だった!AOAO SAPPOROにハマる人の特徴
ネガティブな側面を見てきましたが、一方で「年間パスポートを買うほどハマった」「今までで一番好きな水族館」と絶賛する層も確実に存在します。その違いはどこにあるのでしょうか。
1. 夜のデートとお酒(シロクマベーカリー&バル)
AOAO SAPPOROの真骨頂は「夜」にあります。館内の照明は時間帯によって変化し、夜はムード満点の大人の空間になります。特筆すべきは、館内の「シロクマベーカリー&バル」でお酒やパンを購入し、飲食しながら水槽を眺められる点です。
水槽の前のベンチに座り、ビールやカクテルを片手にペンギンを眺める。これは他の水族館ではなかなか味わえない体験です。デートスポットとして、あるいは仕事帰りのリフレッシュ場所として使う大人にとっては、極上のサードプレイスとなります。
2. カメラ必須!ネイチャーアクアリウムの没入感
写真撮影が好きな人にとって、ここは天国のような場所です。「ネイチャーアクアリウム」のエリアでは、水草と生物が織りなす圧倒的に美しい景観が広がっています。水槽のガラスは透明度が高く、ライティングも計算され尽くしているため、スマホでもプロのような写真が撮れます。
魚単体ではなく、水景全体をアートとして楽しむ感性を持っている人なら、一つの水槽の前で30分以上過ごすことも苦にならないはずです。「わびさび」を感じるような静謐な美しさは、AOAOならではの魅力です。
3. ペンギンとの距離感がバグっている
6階の「ペンギンズ」エリアでは、キタイワトビペンギンが六角形のブロックを飛び跳ねる様子を、ガラスの隔てなく間近で観察できます。手が届きそうなほどの距離(もちろん触ってはいけませんが)で、ペンギンの息づかいやにおいまで感じられます。
また、世界最小の「フェアリーペンギン」の展示も見逃せません。よちよち歩く愛らしい姿を至近距離で見られるのは国内でも稀少です。ペンギン好きであれば、このエリアだけで入館料の元が取れると断言できます。
絶対に失敗しないための回り方と裏ワザ
AOAO SAPPOROを楽しむためには、漫然と歩くのではなく、能動的に空間を使う必要があります。ここでしかできない体験を最大化するためのポイントを紹介します。
1. 滞在時間の目安は?1時間で見終わるな
もしあなたが1時間未満で退館しようとしているなら、それは非常にもったいないことです。この施設の正しい使い方は、気に入った水槽の前にあるベンチに座り、ぼーっと時間を過ごすことです。
館内には至る所に椅子やベンチが設置されています。これは「立ち止まってゆっくりしてほしい」というメッセージです。歩き回る時間は30分でも、座って眺める時間を1時間確保してください。それでこそ、この空間の価値が見えてきます。
2. コワーキング利用という裏技(6階の活用)
実は、6階の「シロクマベーカリー&バル」周辺にはコンセント付きのカウンター席があり、Wi-Fiも完備されています。つまり、水族館を入場料のかかるコワーキングスペースとして利用することが可能です。
平日の昼間や夜、パソコンを開いて少し作業をし、疲れたら目の前の水槽やペンギンを見て癒やされる。そんな贅沢な使い方ができるのは、都市型水族館ならではの特権です。ノマドワーカーやクリエイターには特におすすめの活用法です。
3. 混雑を避けるゴールデンタイム
「狭い」と感じないためには、混雑を避けることが重要です。狙い目は平日の午前中か、あるいは20時以降の夜間です。特に閉館間際の時間帯は人が少なくなり、館内を独り占めしているような感覚に浸れます。
逆に、週末の昼間は家族連れで混み合い、水槽の前に行列ができることもあります。静かな雰囲気を壊されたくないなら、ピークタイムを外して訪問することを強く推奨します。
周辺の水族館との徹底比較(使い分け)
札幌周辺には他にも動物園や水族館があります。それぞれの特徴を理解し、自分の目的に合った場所を選ぶことが満足度を高める鍵となります。
1. 円山動物園(ホッキョクグマ館)との違い
生き物の数や種類の多さ、子供の教育的な観点を重視するなら、円山動物園の方がコストパフォーマンスは圧倒的に高いです。入園料も安く、ホッキョクグマやゾウなど大型動物も見られます。
円山動物園は「歩いて回る動物観察」、AOAOは「座って楽しむ空間体験」と割り切りましょう。アクティブに動きたいなら円山、天候を気にせずリラックスしたいならAOAOという使い分けが正解です。
2. おたる水族館・サンピアザ水族館との比較
車で移動できるなら「おたる水族館」が王道です。豪快なトドのショーや自然の海を利用した展示など、いわゆる「ザ・水族館」を楽しめます。新札幌にある「サンピアザ水族館」は、レトロで規模も手頃、子供連れでも回りやすい地域密着型です。
これら既存の水族館と比較すると、AOAOはやはり「水族館というより美術館」という立ち位置が明確になります。比較対象として並べるよりも、全く別のジャンルの施設として捉える方が自然です。
3. 結論:AOAOは「水族館」だと思うな
最終的に、AOAO SAPPOROを楽しめるかどうかの分かれ目は、ここを「水族館」だと思って行くかどうかにかかっています。多くの魚を見て回ることを目的にすると「つまらない」という感想になります。
しかし、「札幌の街中にある、ペンギンがいるお洒落なラウンジ」だと思って行けば、これほど素敵な場所はありません。2,000円は入館料ではなく、最高の空間で過ごすためのチャージ料だと考えれば、決して高くはないはずです。
まとめ
AOAO SAPPOROが「つまらない」と言われる背景には、従来の巨大水族館とのギャップや、子供連れには厳しい展示構造がありました。しかし、その特徴こそが、大人にとっては落ち着ける唯一無二の空間を生み出しています。
- お子様連れやショーを見たい人は、円山動物園やおたる水族館へ。
- 夜のデートや一人でのんびりしたい大人は、AOAO SAPPOROへ。
- 必ず「シロクマベーカリー」でドリンクを買い、ベンチに座って鑑賞する。
これから訪れる方は、ぜひ「見て回る」のではなく「過ごす」つもりで足を運んでみてください。手にはお気に入りのドリンクを持ち、スマートフォンの通知を切って、都会の真ん中でクラゲやペンギンと向き合う時間は、きっと極上のリフレッシュ体験になるはずです。

