札幌すすきのの夜、飲んだ後の締めラーメンを探して彷徨う人々が最後に行き着く「聖地」をご存知でしょうか。その名は「いそのかづお」。深夜22時にオープンし、朝まで行列が絶えないという伝説のお店です。「札幌ブラック」と呼ばれる漆黒のラーメンは、一度食べたら忘れられない中毒性があると噂されています。
しかし、有名店ゆえに「どれくらい並ぶのか?」「本当に美味しいのか?」という疑問や不安を持つ方も多いはずです。特に北海道の冬、氷点下の中で長時間待つのは命がけの行為です。せっかくの旅行や楽しい夜を台無しにしないためにも、事前の情報収集は欠かせません。
この記事では、実際に店舗を訪れた体験をもとに、味の感想からリアルな待ち時間、そして店主の人柄までを徹底的にレビューします。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 店名 | いそのかづお |
| 看板メニュー | 札幌ブラック |
| 営業時間 | 22:00〜翌06:00 |
| 待ち時間目安 | 開店前30分〜1時間以上 |
| 場所 | 札幌市中央区(すすきの) |
漆黒の衝撃「札幌ブラック」の正体とは?
いそのかづおを語る上で絶対に外せないのが、看板メニューである「札幌ブラック」です。メニュー表には自虐的に「これ以外人気ありません」と書かれていますが、その実力は本物です。見た目のインパクトとは裏腹に、繊細に計算された味わいが多くのファンを魅了し続けています。
見た目を裏切る?意外とあっさり奥深いスープの秘密
運ばれてきた丼を覗き込むと、そこには底が見えないほど真っ黒なスープが広がっています。一見すると「塩辛そう」「味が濃すぎるのではないか」と身構えてしまうかもしれません。しかし、レンゲで一口すすってみると、その予想は良い意味で裏切られます。
たまり醤油の芳醇な香りとコクが口いっぱいに広がりますが、塩味は驚くほど角が取れていてまろやかです。炒めた玉ねぎの甘みと、ガツンと効いたニンニクの風味が絶妙なバランスで融合しており、深夜の胃袋に染み渡る優しささえ感じます。見た目はヘビーですが、後味は意外にもスッキリとしており、ついついスープを飲み干してしまう魔力があります。
スープを吸って黒く染まる中太縮れ麺の魅力
この個性的なスープに合わせるのは、札幌ラーメンらしい中太の縮れ麺です。茹で加減はプリッとしたコシを残しており、喉越しの良さが特徴です。特筆すべきは、麺がスープを吸い上げる力です。食べ進めるうちに、麺自体がほんのりと黒く色づいていきます。
スープとの絡みは抜群で、麺をすするたびにニンニクと醤油の香ばしさが鼻を抜けていきます。麺自体の小麦の風味もしっかりとしており、濃厚なスープに負けていません。時間が経っても伸びにくいため、最後まで美味しくいただけます。
トロトロチャーシューと食感の鬼・キクラゲ
トッピングも一切の手抜きがありません。特にチャーシューは、箸で持ち上げると崩れてしまいそうなほど柔らかく煮込まれたバラロールタイプです。脂身の甘みがスープの塩気と混ざり合い、口の中でとろけるような食感を味わえます。白米に載せて食べたくなる衝動に駆られるでしょう。
そして、丼の中で異彩を放っているのが大ぶりのキクラゲです。コリコリとした小気味よい食感が、柔らかい麺やチャーシューの中で素晴らしいアクセントになっています。メンマやハーフサイズの味玉も標準装備されており、一杯のラーメンとしての完成度が非常に高いです。
味変アイテム「おろし生姜」と「魚粉」の魔法
そのままでも十分に美味しい札幌ブラックですが、卓上の調味料を使うことでさらなる高みへと昇華します。おすすめは「おろし生姜」です。濃厚な醤油スープに生姜の清涼感が加わることで、味がキリッと引き締まり、最後まで飽きずに食べられます。
また、魚粉を加えると和風のテイストが強まり、奥深さが増します。店主のかづおさんも推奨する味変テクニックであり、一杯で二度、三度と違う表情を楽しめるのがこのラーメンの醍醐味です。自分好みのバランスを見つけるのも楽しみの一つと言えるでしょう。
「これ以外人気ない」は本当?他メニューの実力
メニューには「札幌ブラック以外人気ありません」という自虐的な文言が踊っていますが、実は塩ラーメンや味噌ラーメンもラインナップされています。常連客の中には、あえてブラック以外を注文する通な人も存在します。塩ラーメンは函館風の透き通ったスープで、あっさりとした締めを好む人に支持されています。
また、サイドメニューの「かづおTKG(卵かけご飯)」も隠れた人気商品です。ブラックのスープを少しかけて食べると、罪深い美味しさが口の中に広がります。お腹に余裕がある方は、ぜひラーメンと一緒に注文してみてください。
覚悟が必要?リアルな行列と待ち時間
美味しいラーメンにありつくためには、高いハードルを越えなければなりません。いそのかづおは、札幌屈指の行列店としても知られています。特に週末や連休中は、想像を絶する待ち時間が発生することも珍しくありません。
開店前21:30から並ぶべき理由
お店のオープンは22時ですが、その時間に行ってすぐに座れることはまずありません。確実に1巡目で入店したいのであれば、開店の30分前、つまり21時30分頃には到着しておくのが賢明です。既に数組が並んでいることも多々あります。
カウンター席が7席程度しかないため、回転はどうしても限られます。一度満席になると、最初の客が出るまで20分〜30分は動きません。開店と同時に入れない場合、そこからさらに1時間以上の待ち時間が確定することもあります。早めの行動が勝利の鍵です。
地獄の階段待ち?夏と冬の服装注意点
いそのかづおの待機列は、雑居ビルの狭い廊下と階段に形成されます。ここが最大の難所です。夏場は空調が効きにくく熱気がこもり、冬場は外気が入り込んで極寒となります。特に冬の札幌で、薄着のまま長時間並ぶのは危険です。
階段は人一人がようやく通れるほどの幅しかなく、圧迫感があります。トイレに行きたくなっても列を抜けにくいため、事前に済ませておくことを強く推奨します。スマホのバッテリーや暇つぶしの道具も必須アイテムです。
深夜2時でも並ぶ?狙い目の時間帯はあるか
「深夜なら空いているだろう」という甘い考えは通用しません。すすきので飲んだ後の締めとして利用する客が多いため、深夜0時から2時頃が最も混雑するピークタイムとなることさえあります。朝4時や5時になっても行列が途切れないこともあるほどです。
比較的狙い目なのは、平日の開店直後か、あるいは閉店間際の朝5時半頃です。ただし、スープ切れで早じまいする可能性もあるため、ギリギリの訪問はリスクが伴います。確実性を取るならやはり開店前の並びがベストでしょう。
わずか7席!店内の雰囲気と店主の人柄
長い行列に耐え、ようやく店内に入ると、そこには意外なほどアットホームな空間が広がっています。店主の「かづおさん」の人柄が、この店を名店たらしめているもう一つの理由です。
ワンオペ店主「かづおさん」の神対応と手際
店内はカウンターのみの狭い空間で、基本的に店主がお一人で切り盛りされています。驚くべきはその手際の良さです。注文を取り、ラーメンを作り、会計をし、片付けをする。これら全ての動作が無駄なく流れるように行われます。
そして何より素晴らしいのが接客です。どれだけ忙しくても、お客さん一人ひとりに対して丁寧かつ柔らかい物腰で接してくれます。有名な「ウィスパーボイス」での挨拶や声かけは、長時間並んで疲れた客の心を癒やしてくれます。このホスピタリティに触れたくてリピートするファンも多いのです。
狭いけれど回転は早い?客層とマナー
席数が少ないため、客側も「食べ終わったら長居せずにすぐ退店する」という暗黙のルールを共有しています。これがワンオペながらも比較的回転が良い理由の一つです。酔客も多いですが、店主の巧みなコントロールもあり、店内は不思議と秩序が保たれています。
グループで来店した場合、席が離れてしまうこともありますが、そこは協力して譲り合いましょう。また、支払いは現金のみなので、事前に小銭や千円札を用意しておくと、スムーズに会計を済ませることができます。
女性一人でも入りやすい?店内の居心地
ラーメン店、特に深夜の行列店というと男性ばかりのイメージがあるかもしれません。しかし、いそのかづおは女性客も意外と多いのが特徴です。カップルはもちろん、女性同士や一人で来店する方も見かけます。
前述の通り店主が非常に優しく、店内も清潔に保たれているため、女性一人でも安心して食事を楽しめます。紙エプロンの配慮などもあり、黒いスープが服に跳ねるのを心配せずにラーメンに集中できる環境が整っています。
確実に食べるためのアクセス・営業時間・注意点
初めて行く方が迷わないよう、アクセス情報や営業に関する重要なポイントをまとめます。これを知らずに行くと、お店にたどり着けなかったり、定休日だったりと悲しい思いをする可能性があります。
すすきのの雑居ビル奥!迷わない行き方
店舗は地下鉄南北線「すすきの駅」から徒歩5分ほどですが、場所が少し分かりにくいです。「第2旭観光ビル」という雑居ビルの1階にありますが、通りに面しているわけではなく、ビルの奥まった場所にあります。
ビルの入り口には看板が出ていますが、初めてだと見落としがちです。Googleマップなどを駆使して、まずはビルを目指しましょう。ビルに入れば、行列ができているのですぐに分かるはずです。
22時オープン翌6時まで!日曜定休の罠
営業時間は22:00〜06:00という完全な夜型スタイルです。ランチ営業は一切行っていませんので注意してください。また、定休日は日曜日です。旅行日程を組む際は、日曜の夜に行ってしまわないよう確認が必要です。
月曜日が祝日の場合は変則的な営業になることもあるため、公式のSNSなどで最新情報をチェックすることをおすすめします。臨時休業などの情報もそこで発信されています。
現金のみ?支払い方法と予算の目安
支払いは完全現金のみです。クレジットカードや電子マネー、QRコード決済は利用できません。最近はキャッシュレス派の方も多いと思いますが、ここへ行く時は必ず現金を持参してください。
予算はラーメン一杯1,000円前後、トッピングやご飯をつけても1,500円あれば十分足ります。深夜料金などはかかりませんが、満足度を考えれば非常にコストパフォーマンスの高い一杯と言えます。
お土産や通販で「いそのかづお」を楽しむ
どうしても札幌まで行けない、あるいは行列に並ぶ時間がないという方には、お土産ラーメンや通販という選択肢もあります。自宅で手軽に名店の味を楽しめる商品は、自分用にもお土産用にも最適です。
自宅で再現!お土産ラーメンのクオリティ
札幌市内の土産店や空港、あるいは通販サイトなどで、いそのかづお監修の「生ラーメン」が販売されています。黒いパッケージが目印です。このお土産ラーメン、再現度が非常に高いと評判です。
麺は藤原製麺などが製造しており、店に近い食感を再現しています。スープもニンニクと醤油のパンチが効いており、自宅で野菜やチャーシューを用意すれば、かなり本格的な札幌ブラックを楽しむことができます。
まぜ麺や鍋つゆ?コラボ商品の紹介
ラーメンだけでなく、「まぜ麺の素」や「鍋つゆ」といったコラボ商品も展開されています。これらはスーパーなどで見かけることもあります。特に鍋つゆは、黒醤油ベースのスープで野菜をたっぷり食べられると好評です。
締めにラーメンを入れれば、家庭でいそのかづお風の鍋パーティーが開催できます。アレンジレシピも豊富で、日常の食卓に変化を加えたい時にも重宝するアイテムです。
それでもやっぱり本店で食べるべき理由
お土産商品のクオリティは高いですが、やはり本店のカウンターで食べる一杯は格別です。深夜のすすきのの空気感、行列を乗り越えた達成感、店主の作る熱々のラーメン、そしてあの場所の雰囲気全てが調味料となっています。
札幌を訪れる際は、ぜひ一度行列にチャレンジしてみてください。その先には、並ぶ価値のある感動の一杯が待っています。
まとめ
札幌すすきのの深夜の名店「いそのかづお」についてレビューしました。看板メニューの「札幌ブラック」は、見た目のインパクトと裏腹に、繊細で奥深い味わいを持つ至高の一杯です。
最後に、いそのかづおを攻略するためのポイントをまとめます。
- 開店前待機が最強: 22時オープンの30分前には到着し、1巡目を目指しましょう。
- 防寒対策は必須: 特に冬場はビルの廊下や階段が極寒になります。
- 現金を用意: 支払いは現金のみ対応です。
- 味変を楽しむ: 途中でおろし生姜を入れて、最後まで飽きずに完食しましょう。
深夜にラーメンを食べる背徳感と、それを上回る幸福感。いそのかづおでしか味わえない特別な体験があなたを待っています。次の札幌旅行では、ぜひこの黒い衝撃を体感してみてください。

